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吹抜の飛び梁が印象的なリビングダイニング。くつろげるスペースとして奥側にタタミスペースを設けている

 

ワンルーム的に広がりのあるリビングダイニング、タタミスペースはパーティーにも最適

 

ダイニングからタタミスペース、中庭を見る。右側はユーティリティーコーナー

 

廊下から子供室、テラスを見る。幅広のカウンターの下は本棚になっている。

 

2階廊下より階段を見る

手摺り壁の部分は本棚になっている

 

浴室から庭を見る

子供室の造り付けベッドとロフト

 

上下にスリットを取った1階洗面

庭からの夕景

 

リビング側からも収納を設けた対面型のキッチン

コンクリート+ガルバリウムの外観

 

コンクリートとガルバリウムの外観の対比。ルーバーにより庭は視覚的に遮断される

 

L字に庭を囲む家

 岐阜市内の閑静な住宅地の一角に位置する5人家族(ご夫婦+3人のお子さま)のための住宅です。まず、ご要望として出されたのは、あたたかみのある木の家、構造(空間的な構造と構造的な構造の両方の意味)がしっかりした家、内部をワンルーム的に広々とさせたい、冬暖かく夏涼しく、収納の充実といったような点でした。

 この家の場合も土地探しの段階からお手伝いをしましたが、東西に長い日当たりの良い土地でしかも南西側の角地という極めて条件の良い土地が見つかりました。しかし、逆にあまりに条件が良すぎると、方向性を定めるのにかえって苦慮します。最初は、ひとつの方向性にとらわれず、複数の方向性を探ってゆきましたが、内部だけで完結するのではなく、半外部や外部空間とつながりを持ちたい、朝の光を家の中に取り込みたい、そして、コストや使い勝手的にも無駄のないコンパクトな家にしたいという考えから、次第に今のような方向性に落ち着いてきました。

 庭をL字やコの字に囲むのは、自分の中では既に常套手段になりつつありますが、庭との一体感が強くなりますし、建物内をめぐっていく感覚が何かゆとりというか豊かな感覚を醸し出していると思います。

 また、奥様の在宅時間が多いことを考え、駐車場−玄関−キッチン−ユーティリティー−洗面・浴室−物干し場などの家事動線をできるだけコンパクトかつ快適ことを考えました。水回りをまとめることは配管の長さを短くしコストダウンにもつながっています。

 建築は土地に根ざすものなので地域性も考慮に入れなくてはなりませんが、家の作り方自体は、地域の意味するところが昔と今とではそもそも異なっていますので、とりたてて岐阜だから地域の伝統的なやりかたにならうということはしていません。関東よりもやや厳しい(夏暑く冬寒い)気候に対応し、断熱や空調のレベルを関東よりも若干上げています。また、岐阜は関東に比べると街並も落ち着いていて瓦屋根の家が多く、外壁も白よりも黒っぽい落ち着いた色も多いので、よく使うグレーのガルバリウムの外壁が関東よりもマッチしているような気がしました。

◆収納・・・モノはできるだけ使う場所に収納する

 収納に対する私の基本的な考え方は、モノはできるだけ使う場所に収納するということです。この家の場合、収納に関しては、設計段階からかなり踏み込んだクライアント側からのご要望があったので、使うものや使い方をきめ細かく想定し、踏み込んだ設計することができました。ただ、使い方は変化するものですし、想定しにくいものもありますので、なんでも細かくすればいいというものでもなく、基本的な考えさえしっかりしていれば、むしろ融通を利かせて自由度を残しておく部分も必要です。

◆オール電化住宅

 今回、はじめてオール電化を採用しました。レンジはIHヒーター、給湯はエコキュートを採用し、床暖房はエコキュートの床暖房とヒートポンプ式のエアコン+床暖房とを併用しています。熱源に関しては、使い勝手の問題、イニシャルランニングコストの問題、設置場所の制約など様々な条件が絡み合いますので、どの方式が良いかはケースバイケースでその都度判断して決めています。

◆構造・・・最小限の混構造

 木造の場合、防水上、浴室部分は腰ぐらいまでコンクリートを立ち上げ、その上から木造にするのが普通ですが、なんとなく中途半端なので、だったら上までコンクリートにしてしまえということで、浴室・洗面のみ一層分RC造にしました。内部はコンクリート打放しとし仕上を省いているのでコストダウンにもつながります。構造的にも、頑丈なコンクリート部分に力を負担させることで、木造部分は開口を多くし、内部をワンルーム的に広い空間を確保することが可能になりました。混構造というのもなにも難しく考える必要はなく、そもそも現代では基礎は全てコンクリートなのですから、広い意味では木造在来工法であっても混構造と言えなくもありません。

◆材料

 材料はローコストハイコストパーフォーマンスの最近の定番の組み合わせです。近場の飛騨や木曽の木を使うことも考えましたが、コストや乾燥などの理由から、構造材はいつものように宮崎産のオビ赤杉(柱・梁)、熊本産の桧(土台)、2階天井の化粧野地板はSPF材、床はパイン材という組み合わせになりました。

◆図面はこちら

場所

岐阜県岐阜市

構造/階数

木造在来工法/2階建

敷地面積

約154m2 (47坪)

用途地域

第二種住居地域/準防火地区

建蔽率/容積率

70%/160%

建築面積

約76m2 (23坪)

延床面積

約122m2 (37坪)(ロフト部分は除く)

設備

電気、給排水、空調、床暖房、TV、電話、インターホン

設計・監理

植本計画デザイン         植本俊介・唐崎 圭

構造設計

SIGLO建築構造事務所     山口吉紀

設備設計

ZO設計室            柿沼整三・清水真紀

施工

東海建設             若林健次

竣工 2005年12月

本体工事費 

約2500万円(68万円/坪)

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