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南側外観。竹と板塀のスクリーンで緩やかに仕切られる

 

リビングからキッチン、中庭を見る。照明の取り付けられている梁の後側にもう1本の梁が隠されている

 

ガレージを通して川の表情が引き込まれる中庭。南側は竹+板塀による柔らかなスクリーン

 

キッチンからリビング、玄関。床・壁・天井はパイン材

2階テラスより中庭の見下ろし。真ん中の木はモミジ

 

2階廊下の手摺りを兼ねたCD棚

奥まった階段にはスリット状の光が入る

 

奥側のテラスに面したバスルーム

和室にあけられた地窓

川沿いの道から見る外観

川沿いの道からガレージを通して中庭を見る

 

南側から建物の全景を見る。左側が川。日の光が東西方向からも射し込むよう、南側は平屋としている

 

川の気配を感ずる家

 長年この土地にお住まいの親子のために旧宅を建て替えた住まいです。現在はお二人ですが、将来的には結婚され家族が増えることも想定しています。お母さんは主に1階の和室、息子さんは主に2階の寝室を使用することになっています。

 敷地は道路を挟んで小さな川に面していますが、近隣商業地域なので、将来南側に4〜5階建位の建物が建つ可能性があります。従って、仮に建物が建っても敷地内に自立した空間を確保するという考えから、建物を北側に寄せ中庭をコの字型に囲む形をとりました。

 中庭が完全に閉ざされると閉塞感が強くなりすぎるので、南側隣地側は竹や板塀による緩やかなスクリーンとし、川に対しては、ガレージ(1F)やテラス(2F)を介して緩やかに開かれ、川の気配が自然に感じられるようにしました。

 内部的には階段の取り方がポイントで、あえて奥まった場所に置くことにより、建物内に回遊的な感覚を生みだすことを意図しています。一見、不便なように見えますが、寝室から外へはそうひんぱんに出入りするわけではなく、キッチン、水回りとはむしろ近いので、むしろ機能的な配置です。

 造形的に新機軸はないと思いますが、自分自身は“間”をデザインすることに主眼があって、造形的なアプローチが先行することには違和感を感じています。“間”がうまくデザインできれば、個々の造形要素はむしろ普通のものでもかまわないとすら思っています。

 今の時代、“空間”といっても多くの場合、空気に満たされたヴォリュームの方に意識が行っていて、関係要素の適切な距離感を生み出す“間”という意識が希薄であることが多いです。前者が“ポジ”のデザインであるとすれば、後者は“ネガ”のデザインです。後者は日本の伝統的な空間感覚にはごく普通に含まれていたのですが、いつのまにか大きく欠落してしまっているような気がしてなりません。

◆構造

 構造は在来工法ですが、リビング廻りは柱を減らしてすっきりとさせるため、やや複雑な架構となっています。そのため、1階は吹抜に面する部分以外は梁を露出せず、天井を張っています。その吹抜に面する梁成330の大梁は実は1本ではなく、横にもう1本の大梁が束ねられ、その1本は天井内に隠されています。

◆材料

 材料はローコストでコストパーフォーマンスを追求する場合の、最近の定番の組み合わせ。。構造材は宮崎産のオビ赤杉(柱・梁)、熊本産の桧(土台)、2階天井の化粧野地板はSPF材、床・壁・1階の天井はパイン材、浴室・洗面の天井は耐水性に優れる能登ヒバを使用しています。

◆図面はこちら

場所

千葉県松戸市

構造/階数

木造在来工法/2階建

敷地面積

約176m2 (53坪)

用途地域

近隣商業地域/準防火地区

建蔽率/容積率

80%/200%

建築面積

約92m2 (28坪)

延床面積

約133m2 (40坪)

設備

電気、給排水、ガス、空調、床暖房、TV、電話、インターホン

設計・監理

植本計画デザイン         植本俊介

構造設計

SIGLO建築構造事務所     山口吉紀

設備設計

ZO設計室            柿沼整三・清水真紀

施工

日科建築             高田 學

竣工

2004年11月

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