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建築家に家づくりを頼むのは特別なことではありません。普通の人でも手の届くものでなくてはならないはずです。そのためのお手伝いができればと考えています。 |
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家を建てるという行為はほとんどの人にとって一生一代の仕事です。建ててみてしまったと思ってももう一度建てることなどなかなかできません。それなのに、ほとんどの人がまるでスーパーで買い物をするかのごとく安易に家を注文してしまいます。私の周りにも家を建てたはいいが、よく考えずに建ててしまって後悔しているという人がたくさんいます。後悔しないためには一体どうしたらいいのでしょう?
現代人は出来合いのものを買うことにあまりにも慣れてしまっています。今はありとあらゆる既製品が幅を利かせています。単品の商品だけでなく、ありとあらゆるサービスがパッケージされた商品という形を取っています。ふつうは単にそれをチョイスするだけで良いのです。家も例外ではなく、既製品の家である建て売り住宅やマンションを買うという選択肢ももちろんあるでしょう。その中にあなたにぴったりのものが見つかればそれはそれで幸せということになります。しかし、家に関しては既製品でぴったりということはあまりなく、だれしも自分の好みの家をオーダーメードで造れたらと考えることでしょう。
ところが、家をオーダーで作るということは、普通の人にとってはものすごくハードルの高いことだと思います。まず、「どんな家が欲しいのか」ということが明確になっている人はきわめてまれですし、土地の購入や資金調達、法的手続き、引っ越しなど考えるだけでうんざりするほど多くの問題が目の前に立ちはだかります。そもそもそういう問題を解決するためには誰に頼むのがいいかということからして良くわからないでしょう。そうなった場合、多くの人は住宅メーカーを頼りにするものと思われます。 |
住宅メーカーは住宅に関するノウハウが蓄積されていて、大量生産によるコストダウンも期待できます。住宅展示場や豪華なパンフレットを見て、心動かされるかもしれません。しかし、注意しなくてはならないのは、 「住宅展示場やパンフレットの住宅はあなたがこれから手に入れる住宅とは別のもの」 だということです。住宅メーカーはファミリーレストランのようなもので展示場の住宅と似たような仕様のものを注文することはできます。しかし、住宅とは本来固有の敷地条件やあなたの固有の生活感を反映したものであるはずです。そこが既成の商品を買うことと家づくりが圧倒的に異なる点なのです。
家を建てるという行為は「どんな家を造るのか」ということを考え決定するプロセス(=設計)が最も重要です。ところが、住宅メーカーや工務店は基本的に設計をサービスとして行っています。このような設計施工一貫体制では問題もあります。
当然メリットもあります。
それで十分満足が得られるならば、建築家などに頼まず住宅メーカーや工務店に仕事を依頼してください。しかし、それでは飽き足らない人は建築家に仕事を頼むのが良いと思います。建築家の役割は
しかし、建築家に頼む場合にも当然問題となる要素はあります。問題としては次のような点が挙げられます。
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結局、建築家に家づくりを任せるということは、 「設計にお金を払うリスクを覚悟してでもいい家づくりをしたい」 ということに尽きると思われます。例えば、こんな人は建築家に頼んだ方が良いと思います。
リスクを伴うからこそ建築家選びも慎重にする必要があります。選定のポイントは
の2点に集約されると思われます。実績というのは、あてになる場合もあれば、ならない場合もあります。ベテランは失敗はないかも知れませんが、マンネリ化している傾向もありますし、所長があまりにも多忙なところは所員に任せっきりなっているケースもあるようです。知名度というのもあまり当てになりません。有名でたくさんものを作っていても、それが「あなたに合っている」のでなければ意味がありません。そのことを良く見極めていただきたいと思います。
よくトラブルとなるケースは
というような点でしょうか。いずれも論外だと思いますが、そういうケースがままあるのは間違いないことです。建物は既製品ではありませんし、買う物ではなく作る物ですので、完璧というのはなかなか難しく、どこに依頼されても若干の行き違いはあるものです。私とて全くトラブルフリーというわけではありませんが、だからこそよりよい方向を目指す姿勢やコミュニケーションが大事だと思います。
建築家選びが難しいゆえ、プロデュース会社を頼りにする方法も考えられます。雑誌やTV、インターネットなどの紹介だけでは、実務能力や進め方、人柄といった部分までは見えにくいし、直に一人の建築家を選ぶことにはどうしてもニの足を踏んでしまう。いいデザインは欲しいけど、土地選びやローンの問題までひっくるめて総合的に面倒を見てもらいたい。また、個人の延長でやっているような建築家に家づくりという一大事業を任せるのは心理的にも不安であるというのが、プロデュース会社が頼りにされている理由だと思われます。また、最近急激に伸びてきている“コンペ方式”は具体的な提案を見た上で判断できるので、クライアント側からすれば、より魅力的に映ることも事実です。
プロデュース会社を利用する場合も当然、問題となる点があります。
結局、どのような選択をするかは「リスクをどのように負うか」ということに関わってきます。ご自分にとっての信頼できる建築家が見つかり、余計な出費をしたくない人にはプロデュース会社は不要だと思われますが、そこまで踏み切れない方は、上のことを踏まえた上で、ご自分の考えに合った依頼先を選んでいただければと思います。 |
ご自分で土地を探して家を建てる場合、必要な手続き、依頼先と必要な費用の一覧は次のようになります。項目や金額はケースによって多少異なります。あくまで目安とお考え下さい。 工事施工業者については、設計事務所の方でご紹介も致します。土地購入については、直接不動産業者にあたってもらうことになりますが、土地選びについては設計事務所としてご相談にのることは可能です。司法書士については、銀行または不動産業者から紹介が受けられます。
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*マイホームの取得に関して、受けられる所得税減税などは、その都度変わりますので、ご確認下さい。 *税金については国税庁のタックスアンサーに詳しい情報があります。(http://www.taxanser.nta.go.jp/)
お金を借りる窓口には以下のようなところがあります。各自よくお調べになって頂ければと思います。 1)住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫) ・住宅金融支援機構(http://www.jhf.go.jp/) 2)年金住宅融資 ・社会保険福祉協会(http://www.interq.or.jp/japan/shafuku/) ・全国社会保険共済会(http://www.zenshakyo.or.jp/) ・全国年金住宅融資法人協会(http://www.nenkin-yuushi.or.jp/) 3)銀行ローン
4)社内融資 5)財形住宅融資
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私の事務所に依頼される場合の設計・監理のプロセスをご説明いたします。設計着手から竣工までにかかる期間は、木造2階建30坪〜40坪の住宅で1年2ヶ月程度の期間をいただいております。その時の仕事の状況によっては、早めることも可能ですので、個別に御相談下さい。 |
私の事務所の場合、最近は飛び込みで直接依頼されるケースがほとんどです。取りあえずお越し頂くのでももちろん構いませんが、せっかく来て頂いたのに「こんなはずではなかった」という思いにならないよう、ここをご覧になっている方であれば、このHPをあらかじめチェックしておいていただけると助かります。 実績については、掲載可能なものは全てHP上に載せております。ファーストコンタクトの際には、ご計画の家づくりの内容についての基本的なアドバイス、現在進行形の物件のご紹介、設計の進め方についてのご説明、設計料についてのご案内などをしております。 また、土地の現地確認も1〜2回程度で、プラン作成を伴わなければ、できるだけ伺うようにしています。
初期段階で、どなたもまずお考えになるのが、 「この敷地にどの程度の建物がどのくらいの費用で出来るのか?」 ということだと思います。まず、必要なのは、建物の規模、コスト、そしてイメージを膨らませるための基本プランです。ご要望を伺いつつ、建物の規模や工事費、法規などを押え、確実に計画がスタートできる状況を作ると共に、どんな建物を目指すのかという点についてのイメージづくりを行います。成果物としては、平面図、立面図やフリーハンドスケッチ、場合によって簡単な模型を用意いたします。 ここで注意して頂きたいのは、企画案はデザイン決定のためのプランではなく、あくまで家づくりというプロジェクトの出発点となるためのプランだということです。プランの骨格が決まるのは、次の基本設計のプロセスになります。 通常、この企画案を作成した段階で設計契約をお願いしています。企画案作成費として、通常10万円をいただいておりますが、そのまま設計契約に移行する場合は、10万円は設計料に含みます。また、通常、基本設計・実施設計・現場監理はワンセットでの契約になります。やむを得ず、中途で解約される場合は各段階での精算は可能です。
企画案を出発点とし、いよいよ具体的な設計作業の段階に入ります。企画案とは別の可能性なども含めてスタディーします。基本設計は、どんな家にしたいのか?お話し合いやスタディーによってその方向性を決めてゆくステージです。 デザインの方針、空間構成、平面計画(間取り)をスタディーし、最終的にはひとつの案を決定致します。途中での方針変更は自由ですが、確定後の変更には追加の設計料が必要となる場合もあります。予算の見通しを立てるために基本設計終了段階で概算見積を作ります。
建物が成立するための詳細の納め、材料や素材や様々な仕様、家具の設計および選定、設備機器や金物の選定などを行う段階です。基本設計と実施設計を合わせて通常10数回程度の打合せになります。 設計図書が出来たら、それを元に施工業者に見積を依頼します。施工業者選定は見積金額、会社の経営方針、過去の実績などを総合的に判断して決めます。工事請負契約は施主と施工業者が直接結ぶものなので、最終決定権は施主にありますが、必要な助言と資料の作成を行います。 見積と平行して建築確認申請の書類作成と申請を行います。
監理の段階においては、設計図書に照らして工事が適切に行われるよう、必要な業務を行います。施工業者から提出される施工図面をチェックし、必要に応じ詳細図面やスケッチを起こし指示します。材料に関しても試験・検査の報告を受け、適切なものが使用されているかをチェックします。また、定期的(週1回以上)に現場に通い、工事が適切に施工されているかを図面に照らして確認します。問題があれば、修正するよう必要に応じて指示します。 設計段階では決まっていない詳細の納まり、色や材料についての最終決定を行うことも重要な業務です。引き渡し前には竣工検査を行い、問題がないかどうかをチェックします。こうしたきめ細かな監理により初めて設計意図が十分に反映された建物が出来上がっていくのです。
一般的な建築確認申請や風致地区、地区計画の申請は通常業務に含みますが、特殊な申請業務は別途費用を承った上で、申請業務の代行を致します。開発許可申請(宅地造成が伴う場合など)、天空率を使った斜線制限の緩和、フラット35、性能表示、長期優良住宅などが該当いたします。
建物の場合、住んでみて初めて気がつくことが多々あります。若干の手直しが必要なこともあります。竣工後においても、施工者と連携を取りながら細かな不具合や要望に関しても出来るだけ対処するようにしています。施工者が行う1年検査、2年検査には立ち会いを原則とし、施工後の問題が生じないよう目を配っています。また、万が一の設計瑕疵(ミス)に備えて、建築士責任賠償保険に加入しています。
私はプロトハウスに登録をしています。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
設計にかかる費用というのは、人件費が大きな割合を占めます。大ざっぱにいって、2/3が人件費、1/3が事務所を維持するための経費です。図面はCADで描いており、各プロジェクトで使い回しができるものについては合理化を図っておりますが、一品生産の建築では、ものを考えたり、打ち合わせしたり、現場に出向いて指示したりという手間は個々のプロジェクト毎に必要になるので、良い仕事をするためにかかる部分については、きちんと費用を見ていただきたいと思います。
設計事務所の報酬は「平成21年度の国土交通省告示による業務報酬基準」が示されています。ところが、この基準は設計事務所の実態を必ずしも反映していません。多くの事務所が独自のやり方で工事費や面積に対して料率をかける方法を採用しており、告示をはるかに下回る設計料が相場となっています。 私の事務所においては、工事費に対する設計料率を設定し、特に変わった要件がなければ、基本となるとなる設計料に構造設計料を加えて算出しています。料率は工事費により変わりますが、工事費の10%〜15%が目安となります。
国土交通省の告示では面積基準の考え方を採用していますが、私の事務所の場合は工事費が基準です。平成21年の告示以前に昔からある考え方で、多くの設計事務所は今でも工事費ベースの算定基準の方を採用しています。工事費としてお金が発生する部分については、それが面積の増加であっても、仕様のアップであっても、それなりの労力が発生するという考えに基づいています。 面積基準ですとピロティー、テラス、ロフト、外構などの扱いをどう考えるのが曖昧です。がらんどうの箱だけの空間と家具や収納まで造りこんだ空間が同じ設計料であるというのも合理的とは言えません。おなじ面積であっても仕様が高級であれば、選択肢も増え、いろいろなやり方を検討しなければなりません。また、家具も手が込んだものになることがほとんどです。単にカタログで高いものを選ぶだけで終わることはほとんどありません。 また、同じ面積でローコスト仕様を御希望する方も、高級仕様を望まれる方も同じ設計料であれば、ローコストの方は予算が限られているのにも関わらず、工事費に対して割高な設計料を払うことになります。リフォームの場合はどうするのか?業務終了後に、追加で外構や家具の設計を依頼された場合は業務内なのか?追加業務なのか?追加業務の場合は設計料の算出方法はどうするのか?そのような場合は、結局、面積基準の算定によらない方法も併用することになるのです。 工事費ベースであれば、リフォーム、外構、家具についても、建築の本体工事と同じ考えを採ることができますので明快です。
また、設計・監理料については、各段階において工事費の増減の見通しが立つ度毎に見直しを行い、最終的には竣工後の確定工事費ベースでの精算を御願いしております。最初の予算はあくまで目標で、話し合いを進めるにつれ、内容や工事費は変わってゆきます。予算の段階で設計料を確定してしまうと、最初の予算を低くおっしゃった方は結果的に設計料が安くて済み、高めにおっしゃった方は高くつくことになり、クライアント間で不公平が生じることになりますので、そのようにさせていただいています。 規模や工事費は打合せを通じて合意を図っていくわけですから、設計料を上げるために意図的に仕様を上げたり、面積を増やすということはあり得ません。成り行きで工事費も設計料もどんどん高くなってしまうということがないように、基本設計終了時、実施設計終了時、現場の途中段階の各段階で工事費の見通しを立て、工事費が上がる予想が立つ場合はそれで良いかどうかを確認し、次に進むようにしています。 |
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家づくりには一体いくらかかるのか?設計事務所に依頼する際のネックのひとつに、建築にかかるコストをあらかじめ把握するのが難しいことが上げられます。しかし、これはフルオーダーでは避けて通れないところでもあります。ハウスメーカーや工務店に仮にフルオーダーで設計を依頼すると、とてつもなく高くなりますし、設計事務所であっても、ある程度決まったパターンであれば、コストの見通しは着けやすくなります。 コストに関しては、いくらかかるかというのもさることながら、コストの成り立ちについて知ることはもっと大事です。逆に言えば、設計事務所でなければ、それを明らかにすることはできないのです。 |
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企画設計の段階で予算組のためにコストの見通しを付けます。大まかなご希望を伺った上で建物の坪単価を想定し、地盤改良、給排水の接続、解体、外構工事などが必要であれば、一定の費用を加えます。
基本設計が終了した段階で、仕様の仮決めを行い、大雑把に材料の拾い出しを行って、概算見積を作ります。事務所でやる場合と施工会社に依頼する場合があります。なお、この段階では細かな仕様の決定には至っていませんので、概算見積はあくまでも見通しであって、正式見積に対しての精度を保証するものではありません。概算見積が高すぎて予算の増額も見込めないときは基本設計の見直しを行います。 最終契約金額に対しての見積精度がどれくらいなのかというのは一概には言えませんが、ご希望の内容が標準的なものであればあるほど精度は高くなりますし、特殊な条件やご要望が多ければ多いほど精度は落ちます。今までの経験上、木造在来工法の標準的な仕様であれば誤差は10%程度で納まりますが、特殊な構造、仕様、敷地条件の場合、鉄骨・RC造の場合はもっと大きなズレになることもあります。
実施設計を進めながらもコストがいくらかかっているかを念頭において設計しますが、自由設計の場合、各パーツパーツが“時価”みたいなものなので、変更や仕様決定の度に見積を更新することは不可能です。実施設計の途中で一度見積を出すこともありますが、多くの場合いったん図面をまとめてから候補となる施工業者に見積を依頼します。見積依頼は特命で出すこともあれば、5社くらいに出すこともありますが、通常は3社見積です。施工業者の方も最初から勉強してくることはありませんし、設計内容もとりあえず入れておく仕様もあるので、大抵の場合出てくる見積は概算見積をオーバーします。
予算オーバーの場合、オーバーの度合いに応じて減額設計を行い、再見積を依頼します。仕様だけで調整可能な場合もありますし、若干の形の変更に及ぶこともあります。また、必要に応じて他の施工業者に見積依頼をかけることもあります。
見積調整後の最終決着金額をどうするかはクライアントの判断によります。せっかくだからいいものを作りたいと予算を増額して決着することもありますし、あくまで予算の方を優先し、設計変更によって内容の方を落とすこともあります。建築士として必要な助言を行います。
現場に入ってからの追加工事や仕様の変更は増減精算の対象になります。追加変更に関してはまず見積を取り、クライアントの了解を得た上で施工することが原則です。工事の過程での調整の範囲内の工事か追加変更工事か判断が分かれる場合があるので、クライアント、施工者とよく話し合って決定します。
工事中の各段階での追加変更工事の増減金額を合計したものが、最終的な工事金額となります。 |
コスト管理というのは、設計の中では大事な項目ですが、フルオーダーの設計において、コストを正確に把握しながら設計することは、実は難しいことです。建築というのは多くのファクターから成り立っており、敷地や施主の好みを反映しようとすればするほど、毎回毎回が違ったものになり、設計が煮詰まっていない段階で何がどれくらい効いてくるのかを読み込むのは容易ではないからです。概算見積を取っても概算は文字通り概算であって、設計終了後に正式に見積を取るとズレてきてしまうことは多々あります。 でも、建て主さんにしてみれば、そんなんではとても予定がたちませんから、自由設計の場合は、予算計画も予備費を含め余裕を持って計画し、建設予算にも余裕を持たせておくことが必要になります。 問題となるのはローコスト住宅の場合です。ローコストの場合、そもそも建設費に余裕などないからです。仮に余裕を持って計画するとしたら、今度は生活に必要な面積すら確保できなくなってしまいます。
ローコスト住宅の場合でも、コストを確実に把握することを最優先にした設計を行えば、確度の高いコスト管理というのは不可能ではありません。毎回決まった業者に工事を依頼し、パターンを決め、同じような仕様で発注し、規格は極力統一する。特注部材を減らしできるだけ標準部材で構成する。敷地条件に合わせたり、施主の好みを反映する点については、一から考えるのではなく、パターンの変形で対処する。そのようにして、当初予算と見積金額との間にズレをなくすためのノウハウを蓄積している建築家もおられます。 私の場合は、コストコントロールというのはもちろんやりますが、コスト管理第一の割り切った設計というところまでは、実はなかなか踏み切れておりません。コスト管理に走りすぎると設計の自由度が少なくなり、建て主さんにしてみれば、なんのために建築家に頼んだのか今度はそのジレンマに苦しむことになるからです。せっかく依頼されたのだから、これくらいのことは実現させてあげたいと思うのが人情でそれに最初からわざわざタガをはめたくはないのです。 最小のコストで最大の効果を望むのは誰しも同じです。途中段階で厳しい予想が立ったとしても、安全側で考えてその段階で夢を縮小するのはなかなか難しいことです。夢は実現したいでもお金がないというケースがほとんどですから、安全に着地できる設計が難しい場合は、ある程度ブレが生じる(ほとんどの場合増額になる)ことを承知いただいた上で、出来るだけコストを切りつめる方向で設計しています。
住宅の設計を繰り返しやっていれば、例えば、坪60万の仕様、坪80万の仕様、といったように坪単価と仕様の関係が把握できるのではないかと思う向きもあるかもしれません。いい材料を使えば高くなる、設備のグレードを上げれば高くなる、断熱仕様を上げれば高くなる、それは当然のことです。ところが現実にはそのような仕様の差以外の部分でかなりの差が生じるのです。 建築費は建物の形や敷地条件によっても大きく上下します。例えば、接道条件の悪い狭い敷地に建築する場合と広い敷地に建築する場合とでは同じような仕様でも建築費には2〜3割の差が出ると言われています。敷地が狭いと小型車しか入れず、搬入も小分けにしなくてはなりませんから、効率が悪いのです。道路と敷地との間に高低差がある場合も、同様の理由で割高になります。 敷地に給排水が来ているか否か。擁壁をやり直すなどの付帯工事が発生するか否か。そのような条件の差によっても大きな違いが出てきます。 地域差というのもあります。積算資料や建築雑誌のデータを見ていると、同じ建築内容でも2割ぐらいの地域格差があるようです。ただし、バラツキの程度は、工種によってまちまちですから、建設物価指数をかければ建設費の差が出るというほどことは単純ではありません。 建物の形でも差が出ます。平面的に見て、正方形のプランと細長いプランのものとでは同じ面積でも壁面積が増えるので細長い方が割高になります。L型や凹型ではさらに割高になります。階高が高くなったり、凹凸が増えたり、吹抜があったりするのも施工面積が増えるわけですから、割高になる要因です。
設備のグレードが変わったり、仕上の材質が変わったりするところでの仕様の差は誰でもわかります。やっかいなのは、目に見えにくい仕様の差です。 例えば、一般的に言って、開口の多い家は高くつきます。空間を仕切る道具は壁より建具の方が高いですから、大きな開口を取れば、割高になるのです。大きさだけでなく、規格サイズと特注サイズでは当然特注サイズの方が高くなります。つまり、ハウスメーカーのように規格品の窓を小さく開けるのと、空間に合わせて自由に大きな開口を開けるのとでは、その部分のコストは随分違ってきます。 それから、木造住宅だと構造現しの方が構造を隠蔽し仕上で覆うよりも高くつきます。構造をあらわしにすれば、仕上の分が浮くから安いと思いがちですが、仕上になることを前提とした構造を作るよりも、安い材料で覆う方が現実には安いのです。それには、私自身納得がいかない部分もあって、いろいろと試行錯誤はしているのですが、現実はなかなか一筋縄ではいきません。
さらに読みにくい部分でなおかつブレが大きいのが、施工会社による差でしょう。設計・施工分離の場合、複数の施工会社に相見積もりを依頼するのが一般的ですが、高いところと安いところでは2〜3割ぐらい違ってくるケースはザラです。ならば安いところに常に依頼すれば良いとお思いかもしれませんが、最安のところは常に一定しているわけではありませんし、安いからあまり良くないケースと安くても良いケースが混在しているからやっかいです。 地域的な守備範囲の問題、工種的に得意不得意の問題、時期の問題(忙しいか暇か)、やりたい仕事かそうでない仕事か(敷地条件、売り上げとの絡み、営業的なメリットetc)などが複雑に絡んできて、その都度価格は上下しますし、実は、同じ会社でも見積もりする人によっても価格は違ってくると言われています。 | ||||||
建築工事は下請け専門工事会社からの見積を足した直接工事費に元請け施工会社でかかる現場経費や諸経費を足せば、全体の工事費になります。工種が多い鉄骨造の場合を例に取って、見積書の項目を挙げると次のようになります。各項目はおおむね各職種に対応していると考えてください。下の例だと27の職種、実際にはもっと多いので1軒の住宅でも30社以上の専門工事業者が入ることになります。木造住宅の場合はもう少し少ないですが、それでも20社ぐらいにはなると思います。
建築物は製品にしても材料にしても、適切な場所に施工してはじめて能力が発揮されるものばかりですので、製品代、材料代だけでなく取り付け工事費も含んだ材工共価格が一般的です。本来は「材」の価格と「工」の価格がはっきり区別されていればわかりやすいですが、実際にはそのようになっておらず、また区別されていたとしても「材」の価格は純粋な製品代や材料費ではなく、通常そこにも経費や利益が乗せられています。 なぜそうなってしまうかというと、実は施工費がいくらになるかというのが、施工業者の方でもはっきりとはしておらず、経費や利益は極めて大雑把な形で上乗せされているに過ぎないからです。建築工事の場合、「工」の部分は基本的には日額単価×作業日数で算出される作業人工がベースになっていますが、図面や工事の内容からでは読みにくい要素、つまり、天候や施工会社の段取りの悪さによって遅延や待ちが生じたり、設計事務所やクライアント側の都合による手間の増加、たとえば、製品の決定が遅れたり、施工直前あるいは施工直後でも変更が生じたり、そういうリスクをどのように見るかというのが、必ずしも明確ではなく、結果大雑把な形で上乗せせざるを得ないのです。 「材」の部分も材料取りの仕方で変わってくる端材のロスや発注ミスや施工ミスによるロスも見込まれていますが、その見方もやはり施工業者によってもバラバラで大雑把なものなのです。
さらに、見積をわかりにくくしているのが、工種毎の各下請け専門業者さんの直接工事費の見積の中に、元請け施工会社の経費や利益も散らされて計上されていることです。なぜそういうことをするのかというと、経費が多く計上されていると元請け工事会社が儲けている印象があり、経費が往々にして値引きの対象になるため、利益確保のために各項目に散らして潜らせているのです。だいたい、施工会社は下請けから見積が上がってくると、5%〜15%を上乗せしていると言われています。 そのように直接工事費の中に経費を含んでいくやり方は昔からの習慣ですが、最近ではむしろディメリットの方が多く見直しの動きも出てきています。ユーザーに対してわかりにくく、価格の不信感を生みやすいだけでなく、仕様変更などによる価格調整もやりにくく、仕様変更を繰り返していくと施工会社の方も一体この現場でいくら利益が確保されているのかがわからなくなっているからです。 下請け業者の直接工事費はあくまで各業者の生の見積として計上し、元請け施工会社でかかる経費は高く感じられようとも必要な経費ならばきちんと乗せてゆくのがこれからの主流になるべきやり方だと思います。 |
建物形状は複雑になればなるほど床面積あたりの表面積が増し、入り隅や出隅の取り合い部分が増えますので、材料、工賃両方で割高になります。したがって、凹凸の少ない正方形に近い形状ほどコストはかからないことになります。
構造体の柱、梁、壁などの大きさは、支える空間の大きさによって変化します。小さい空間では小さくなり、大きな空間では大きくなることは当然ですが、構造体のフレームが支える空間の大きさは大きすぎても小さすぎても無駄が増えるので、最も合理的かつコストのかからない寸法というのはほぼ決まってきます。構造体同士の間隔(スパン)が経済的になりたっている場合のスパンを経済スパンと呼んでいますが、大雑把に言って、木造だと1間(1800mm)〜2間(3600mm)、鉄骨造だと4m〜8m、コンクリートもほぼそれ位が経済スパンとなりますが、構造形式、階数、階高、地盤条件などによっても変わるので、杓子定規に考えるのは危険です。
コストダウンの中で最も削減効果が大きいのが、入れる予定のものを中止することです。間仕切りを減らす、家具を減らす、窓を減らす、デッキやバルコニーを止める、仕上を止めるなど、割り切れるものがあれば、その分価格は下がります。
高いものを安いものに変えれば当然コストダウンにはなりますが、質感、性能などは高いものに劣るのはやむを得ないところです。ただし、売れ筋のものは性能の割に価格が安くお買い得ですから、その中で希望のものが得られれば、お金のかけ方に対して満足度は高いといえます。
一般的に言って、材料は多種類の材料を少しずつ使うよりも、種類を限って大量に使う方が安くなります。梱包単位が決まっている材料はそれより少なければ、使わない分は無駄になりますし、また種類が増えればそれぞれでロスを見込まなくてはなりません。運送費も宅配便で運べるものは良いですが、チャーターで配送が必要なものは少量だと割高です。また、材料が増えると材料同士が取り合う部分も多く発生しますから、手間もそれだけかかり、場合によっては見切り材などの材料も余計に発生します。 それでも同じ職種の中で材料を変える、例えばペンキの色や種類を部位毎に変えたりする程度だったら大したことはありませんが、職種を増やしてしまうと一気に割高傾向が強まります。打合せ、搬入、準備、後かたづけといった作業は材料が増えても減ってもあまり変わりませんから、少量だと無駄が多いのです。
材料や製品にお金が使われるのは納得がいきやすいと思いますが、施工手間はできれば効率よく作業してもらってできるだけ減らして欲しいというのが人情でしょう。施工性を改善して作業の効率を高めることが出来れば、当然それはコストに反映されてきます。全く同じものを施工方法を変えるだけでコストダウンできるのなら、話は簡単なのですが、実際はそう単純ではありません。例えばある部材の取り付け工事を行う場合に、クレーンや足場などの仮設工事をきちんとやって一気に施工する方が良いのか仮設工事にお金をかけないかわりに人手をかけてこまめに作業をする方が良いのか、判断が分かれるケースも多いのです。また、本来は安くなるはずの合理化構法も職人さんが慣れていないとかえって手間取り、多少手間がかかっても慣れている今までのやり方でやらせてくれというケースも非常に多いです。
設備の配管ルートが長くなると配管材料や工賃が増えますので、プラン上の工夫で水回りの位置をまとめ、配管の長さを短くしたり、接続枡の箇所数を減らせば、当然コストダウンにつながります。
規格品と特注品とを比べると当然規格品の方が安いです。設計事務所の設計では、寸法を自由に決めたり、取り合いを重視するため、特注品を使うことが多くなりますが、規格品で割り切れば安くなるのは当然です。規格品をうまく組み合わせたり、規格品に特注部材を足したり、工夫できることもあると思います。
メーカーの責任施工というのはメーカー製品をメーカーが指定した代理店でメーカーの品質管理体制のもとで施工し、施工品質をメーカーで担保するやりかたです。品質は保証されますが、その分価格は高くなります。ものによってはメーカーの責任施工でなくとも施工業者の責任で施工すればこと足りるものもあります。
固有の製品名がついているメーカーの製品は品質管理がいきとどいていて、信頼性は高いですが、品質保証や広告宣伝などの経費が余計にかかっており、ブランド的な付加価値がついている場合も多いです。それに対し、どこのメーカーでも扱っているような汎用部材はそのような経費がかからないのと、競争により価格も下がるので割安です。そのような汎用部材もメーカーが作っているわけですから、品質が明らかにさえなっていれば、そのようなものを使うのも手です。ただし、製品対汎用部材で考えた場合、製品がワンセットの完成品となっているのに対し、汎用部材の方はいくつかの素材を加工して組み合わせるケースが多く、そのような場合は品質をどう確保していくかについて、設計側施工側両方で綿密な検討を行わなくてはなりません。
製品を組み合わせていくのではない、素材を手作業で加工して組み立てていくやり方は平たく言えば「手作りの家」です。手作りですから、既製品のように寸法が揃っていて、全く狂いがないというわけにはいきません。手作りのものがもつ若干の不揃いについては目をつぶってもらう必要もあります。逆にそれさえ割り切ってもらえれば、ローコストで本物の素材やオリジナルな設計が手に入ります。例えば、家具工事で作る家具は品質は高いですが、そこまで必要なければ大工工事+建具工事でやれば大抵の場合は安く済みます。
日本の流通が複雑なのは周知の事実ですが、その流通の問題も次第に改善されつつあります。材料の発注は今までは下請け施工業者の取引のある問屋から仕入れることがほとんどでしたが、今は元請け施工会社で直に発注するケースも増えてきました。メーカー→販売会社→問屋→下請け専門業者→元請け施工会社(ケースによってはもっと複雑)よりもメーカー→販売会社→元請け施工会社の方が安いのは当然で、材料指定品などは直接元請け施工会社で買ってもらうようにするのが安くする秘訣です。
もっと安くする方法としては、インターネットなどで売っている激安品などを自分で購入し、取付だけを施工会社に頼む方法があります。その場合、発注ミス、製品の不具合などのリスクはクライアントが負うことになります。せっかく買ったのに付属品が付いていなかったり、付属品の規格が施工会社で想定していた規格に合わなかったり、不具合が生じたときにそれが製品に起因することなのか取付や施工上の問題で生じたことなのかが明確でなかったり、トラブルもあるので安物買いの銭失いにならないよう注意も必要です。 ※THINK-NETによる材工分離は商社が手を引いたため利用できなくなりました。
家を構成する各部分の施工は各下請け専門工事会社がやるわけですから、工事のまとめ役を施主ないしは設計事務所でやれば、元請け施工会社なしで家を作ることは不可能ではありません。そのような考え方が分離発注制度です。分離発注のメリットは不透明な価格の上乗せがなくなること、家づくりを直接担う各職人さんとのつながりが強まることなどが挙げられます。 一方、ディメリットとしては、よほどしっかり監理しないと責任の所在が曖昧になりやすいこと、設計事務所が工事監理までやると肝心の設計業務がおろそかになりがちなことなどが挙げられます。大工さんが指導的な立場を果たす木造在来工法であれば比較的やりやすいと思いますが、設計も施工も一定のパターンを決め、常に同じ職人さんで施工するなど、条件を整えてやらないとうまくいかないと思います。私の場合は設計の守備範囲が広いので、今のところは分離発注にはなじまないと考えています。 そのような大がかりな分離発注ではなく、一部のものを別途工事として直接発注するやり方は良くあります。例えば、キッチンや造園やカーテン、エアコンを直接発注するようなケースです。その場合でも取り合い部分の調整を甘く見ると失敗するので注意が必要です。
究極のコストダウンは自分でやるということです。自分で工事をやれば工賃についてはお金はかかりません。どの程度の工事までやれるかは人それぞれで、外国では家自体をセルフビルドで作ってしまう人も多いですが、日本の住宅の場合、耐震性や耐風性などの面で性能的には高いものが要求され、レンガを積み上げていってハイ完成!というわけにはいきません。家全部を作るのはセミプロレベルの人でないとまず無理です。無難なのは、外構や塗装や左官仕事です。塗装は浸透性の透明塗装ならば、ムラも目立たず素人でもできます。あと、木を植えたり、柵を作ったり、一部でも自分でやると家づくりもより愛着が沸きますから、是非トライしてみてはいかがでしょうか?
上のような手法を全て組み合わせれば、劇的に安い建物が実現する・・・わけではもちろんありません。あくまで内容あってのコストであって、コストダウンばかりに目がいって、極端な性能ダウンを引き起こしたり、メインテナンスを含めたランニングコストがかさむようではかえって高い買い物になってしまいます。また、自分に何が必要で何が必要ないかの見極めも大事です。何が必要かを追求していく過程において、必要なものにはお金をかけ、必要がないものは省いていく。安いばかりではなく、お金のかけ甲斐があるコストパーフォーマンスに優れた建物を目指すべきだと思います。 |
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設計事務所に仕事を依頼した場合のひとつのハードルが施工会社の選定です。いくらいい設計でも工期、予算、仕事の内容が仕事をしてくれるところがなければ、建物はできません。 私の事務所では、首都圏であれば、信頼できる複数の工務店とお付き合いがあります。設計事務所としての主体性を守るため、一社に決めこむのではなく、各プロジェクト毎に向き不向きを判断し、場合によっては、複数の工務店に相見積もりを取り、その都度、依頼先を選定しています。また、常に新規依頼先を開拓するようにしています。 首都圏外の場合でも、地域によってはおつきあいのある場合もあります。おつきあいがない場合でも、今はネットその他により、どんな工務店があるかも簡単に検索できますので、地域によって頼むところがないということはありません。初めて仕事を依頼する場合は、見積金額だけではなく、あらかじめどんな会社かをよく調べてから、依頼するようにしています。また、信頼できるところであれば、クライアントのお付き合いのある工務店に依頼することでも構いません。 |
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施工会社にはいろんなタイプがありますが、まず規模でいうと、住宅程度の施工を頼む場合は、よほどの大邸宅でない限り、施工会社の規模は1人工務店から大きくても数十人規模のところに依頼することが妥当です。施工会社の規模が大きすぎると経費がかさみ割高になるからです。
大企業にもカラーというものはもちろんありますが、小さな会社だと個性はより強く出ます。ひとくちに施工会社といっても、いろんなタイプがあり千差万別です。施工会社を見極めるポイントは3つです。まず社長や会社全体の経営方針と実績、次に監督さんの質、3番目が抱えている下請けの職人さんの質です。 まず、手掛けている工事の内容で分けると、木造中心に手がけているいわゆる工務店と呼ばれるところと、RC、鉄骨も含めて手掛けている総合建設業者に分かれます。いちおう区別はしましたが、両者の境はあいまいで、ゼネコンでも○○工務店とつけている場合もありますから、名前から判断されるものでもありません。前者は大工からたたき上げでやってきたところが多く、後者は大工はほとんどの場合が外注で木造だと割高になる傾向が見られます。木造だったら工務店、RC、鉄骨であれば、総合建設業者に依頼するのが妥当ですが、木造でも難易度が高く管理に比重がおかれるものは総合建設業者に頼む方が良いと思います。 仕事の進め方は、社長や役員クラスの会社の経営者自身が監督さんを兼ねていて、陣頭指揮型で進めるタイプと、社長は経営に徹していて、別途、専門の監督さんが着くタイプに分かれます。前者は決断が早く話が通りが良いですが、忙しくなってくると経営者兼監督さんの対応が雑になってくる傾向が見られます。後者は、工事の内容についてのやり取りはスムーズでもお金が伴う結論が返ってこず、工事だけが進んで金銭的なトラブルになる傾向がみられます。
管理がいきとどいていて仕事の質も高く、打合せなどの対応も良く、見積も良心的、コストも安く、工期は厳格。そういったスーパー施工会社があれば、みんなそこに仕事を依頼するでしょうが、現実はそう甘くはありません。仕事はしっかりしているが見積はどんぶり勘定、管理はしっかりしているが施工知識はそれほどでもない。人はいいけど施工はアバウト。下請けの職人さんは良いのに監督さんがダメ。監督さんはいいけど会社の経営方針が今ひとつなど、小さいところはあっちをたてればこっちが立たずというケースがほとんどです。ですから、施工会社や経営者、監督さんのタイプを見極めた上で、足りないところはこちらで補う必要があるのです。 結論として、仕事が良いところは見積も高い傾向はありますが、かといって高ければ安心かというとそうでもありません。高くて良くないという場合もあるので注意が必要です。
施工会社も商売ですから、無理に仕事を取らなくていい状況であれば、必然的に高い見積が出てきます。逆に、どうしても仕事が欲しい状況であれば、ぎりぎり限度に近い価格が出てきます。施工会社がやりたい価格を出してくる理由はいろいろありますが、一番多いのが仕事がなくどうしても仕事を入れたいという理由です。その他にもクライアントとつき合いがある、近所だから、設計事務所とはじめてのお付き合いだから、変わった設計なので宣伝効果も考えて、営業的なメリットも考慮してなど戦略価格を出してくる場合があり、そういう機会があればうまく使うのが得策だと思います。
施工会社の場所は近ければ近いに越したことはありません。近所であれば、何かあった場合にすぐかけつけることは可能ですし、地元であればいい加減なこともできません。しかし、設計事務所の仕事がこなせるようなレベルの高い施工会社が近所にあることは稀ですので、もう少し範囲を広げて考えなくてはなりませんが、概ね1時間圏内というのが目安になると思います。
設計と施工の関係は、図面だけのやりとりだけではない部分がたくさんありますので、当然、設計事務所にとっては、事情が分かり合える施工会社に頼めばそれだけ仕事もスムーズです。ただ、監督さんが変わったり、設計も毎回異なるので慢心は禁物です。また、設計事務所によっては、施工会社と癒着していて、建て主さん側ではなく施工者側に立ったり、バックマージンをもらったりしている場合もあるので、要注意です。 |
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